出国時 · 脱退一時金
保険料を納めた月数と給与から、日本を離れるときに脱退一時金で戻ってくる額がわかります。厚生年金と国民年金、差し引かれる税金とその取り戻し方、出国の前と後で大切な日付も説明します。
月数は、ねんきん定期便またはねんきんネットで確認できます。以前に受け取った脱退一時金の対象になった月は数えないでください。
日本国内に住所がなくなる日、つまり転出届に記載する日付です。
口座に振り込まれる額
¥682,797
税金が戻ると¥858,000
厚生年金
計算に入るのは36か月で、支給率は3.3です。給与の標準報酬月額は¥260,000で、¥260,000×3.3が一時金の額です。
税金の還付
退職所得の選択課税による申告では、一時金は退職所得として課税されます。3年分の退職所得控除は¥1,200,000で一時金の額より多いため、納める税金はなく、源泉徴収された¥175,203が全額戻ります。
日程
2026年10月に出国する場合、請求書は2年後、2028年10月の出国日と同じ日までに日本年金機構に届かなければなりません。出国した月に届くように送れば、2027年2月ごろに振り込まれ、還付のための申告書は2028年1月から提出できます。
日本国籍がなく、国民年金の保険料納付済期間か厚生年金保険の被保険者期間のどちらかが6か月以上あり、日本の年金の加入期間が合わせて10年未満で、障害手当金を含め日本の年金を受ける権利を持ったことがなく、日本国内に住所がない場合は、脱退一時金を請求できます。請求書は、日本国内に住所がなくなった日から2年以内に日本年金機構に届かなければなりません。
再入国許可を受けて出国する場合は、市区町村役場に転出届を提出していれば請求できます。転出届を出していないと、再入国許可の有効期限まで国民年金の被保険者のままなので、それまでは請求できません。
出国前:市区町村役場に転出届を出し、住所地の税務署に「所得税・消費税の納税管理人の届出書」を提出します。日本国内に住所がある人なら、だれでも納税管理人になれます。納税管理人を決めずに出国した場合でも、あとで申告書と一緒にこの届出書を提出できます。
脱退一時金請求書には、日本語に英語、ベトナム語、インドネシア語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、フィリピノ(タガログ)語、タイ語、ミャンマー語、カンボジア語、ロシア語、ネパール語、モンゴル語のいずれかを併記した様式があります。日本年金機構へ郵送するか、e-Govから電子申請で提出します。国外から送るか、日本国内から送る場合は転出予定日以降に届くようにします。
パスポートの写し(氏名、生年月日、国籍、署名、在留資格のページ)、口座が本人名義であることがわかる銀行の書類、基礎年金番号がわかる書類(基礎年金番号通知書または年金手帳)を添えます。氏名、国外の住所、口座情報はローマ字の大文字で書き、国外の銀行で受け取る場合はSWIFTコードも書きます。ゆうちょ銀行と一部のインターネット専業銀行では受け取れません。
請求書が届いてからおよそ4か月後に、お金が振り込まれ、脱退一時金支給決定通知書が届きます。申告に必要なので、その原本を納税管理人に送ってください。
納税管理人が、日本での最後の住所地の税務署に「退職所得の選択課税による還付のための申告書」を提出します。法律上、提出できるのは支払いを受けた年の翌年1月1日から(それより前にその年の退職手当等の総額が確定した場合はその日から)で、還付は5年間請求できます。
住民税は、毎年1月1日に日本国内に住所がある人に、前年の所得に対してかかります。1月1日より前に出国すれば、出国した年の給与には住民税がかかりません。1月1日より後に出国すると、6月からの住民税は国外にいても納めなければなりません。
今年度の住民税の残り:会社による給与からの天引きは、最後の給与で終わります。6月から12月の間に出国する場合は、残りを最後の給与から一括徴収するよう会社に申し出ることができます。1月から4月の間に出国する場合は、最後の給与で足りれば、会社が残りを一括徴収します。それ以外の場合は市区町村から納付書が届くので、日本国内でそれを受け取って納める人、つまり市区町村役場に届け出た納税管理人が必要です。
所得税:出国する年の分の確定申告が必要な場合、出国前に納税管理人を定めていれば、翌年の2月16日から3月15日までに申告します。納税管理人を定めていなければ、出国前に準確定申告をします。
脱退一時金を受け取ると、請求より前に日本の年金制度に加入していたすべての期間がなくなります。支給額の計算に入る60か月を超えた月も同じです。その期間は、あとで日本の年金を受け取るための期間に数えることも、日本と社会保障協定を結んでいる国での加入期間と通算することもできません。
加入期間を通算する協定を結んでいる国(2026年3月時点):ドイツ、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ、オーストラリア、オランダ、チェコ、スペイン、アイルランド、ブラジル、スイス、ハンガリー、インド、ルクセンブルク、フィリピン、スロバキア、フィンランド、スウェーデン、オーストリア。ベトナムとインドネシアは、日本と社会保障協定を結んでいません。
脱退一時金の計算に入る月数は、2021年4月以降の期間がある場合は60か月まで、すべてそれより前の期間の場合は36か月までです。再び来日した人は、滞在のたびに請求できます。たとえば技能実習2号のあとに一度、特定技能1号として働いた期間のあとにもう一度請求できます。
2025年の年金制度改正では、上限を5年から8年に引き上げ、再入国許可を受けて出国した人には、許可の有効期間内は脱退一時金を支給しないことになりました。どちらも、法律の公布から4年以内に政令で定める日から施行されます。2026年4月1日に更新された日本年金機構のページでは、上限はまだ60か月です。
厚生年金の脱退一時金からは20.42%の所得税が源泉徴収されますが、国民年金の脱退一時金からは源泉徴収されません。退職所得の選択課税による還付のための申告書を提出すると、脱退一時金は代わりに居住者の退職所得として課税されます。課税されるのは、脱退一時金から計算に入る年数1年につき40万円(最低80万円)の退職所得控除を引いた残りの2分の1です。
5年分で200万円まで(3年分では120万円まで)の脱退一時金には、申告で納める税金がないため、20.42%の税金が全額戻ります。申告は納税管理人を通して行います。納税管理人は、日本国内に住所がある友人や同僚でもかまいません。
賞与なしの場合です。この額から20.42%が源泉徴収され、退職所得の選択課税による申告で、その全部またはほとんどが戻ります。
| 月数 | 月給¥200,000 | 月給¥250,000 | 月給¥300,000 | 月給¥400,000 |
|---|---|---|---|---|
| 12 | ¥220,000 | ¥286,000 | ¥330,000 | ¥451,000 |
| 24 | ¥440,000 | ¥572,000 | ¥660,000 | ¥902,000 |
| 36 | ¥660,000 | ¥858,000 | ¥990,000 | ¥1,353,000 |
| 48 | ¥880,000 | ¥1,144,000 | ¥1,320,000 | ¥1,804,000 |
| 60 | ¥1,100,000 | ¥1,430,000 | ¥1,650,000 | ¥2,255,000 |
税金は源泉徴収されません。各年度は4月から翌年3月までです。
| 月数 | 2026年4月〜2027年3月 | 2025年4月〜2026年3月 | 2024年4月〜2025年3月 |
|---|---|---|---|
| 6–11 | ¥53,760 | ¥52,530 | ¥50,940 |
| 12–17 | ¥107,520 | ¥105,060 | ¥101,880 |
| 18–23 | ¥161,280 | ¥157,590 | ¥152,820 |
| 24–29 | ¥215,040 | ¥210,120 | ¥203,760 |
| 30–35 | ¥268,800 | ¥262,650 | ¥254,700 |
| 36–41 | ¥322,560 | ¥315,180 | ¥305,640 |
| 42–47 | ¥376,320 | ¥367,710 | ¥356,580 |
| 48–53 | ¥430,080 | ¥420,240 | ¥407,520 |
| 54–59 | ¥483,840 | ¥472,770 | ¥458,460 |
| 60+ | ¥537,600 | ¥525,300 | ¥509,400 |
この計算は見積もりです。1か月の平均給与は標準報酬月額の等級(8万8,000円〜65万円)に当てはめ、賞与は年2回の支払い、国民年金は出国する月が属する年度の保険料としています。申告では、この脱退一時金をその年の唯一の退職手当等とし、年数は計算に入る月数(60か月まで)を年に直して、1年に満たない端数は1年として数えています。実際の額を決めるのは、支給決定通知書と、納税管理人が提出する申告書です。